【文系大学院生の公務員就活!】院生の生活、知らないままスルーしてない? Vol.2 伊藤袈斐さん
1.はじめに
国家総合職になるには院卒区分を受験するという選択肢があるのに、肝心な学部卒との違いや院生としての就活のスケジュール感など、院卒者の公務員就活情報が少ない!と感じたことはありませんか?この記事では、院に進んで公務員就活をされた方々へのインタビューを通じて、院卒からの公務員就活のイメージをつかんで頂ければと思います!
*こちらの記事は、【文系大学院生の公務員就活!】のVol.2となっています。Vol.1はこちらから☟
【目次】
1.はじめに
2.インタビューから院卒の公務員就活を知ろう!
2-1.経歴について
2-2.院への進学について
2-3.公務員就活について
2-4.院でのキャンパスライフについて
2-5.伊藤袈斐さんからのメッセージ
3.最後に
2.インタビューから院卒の公務員就活を知ろう!
【伊藤袈斐さん】
今回は、今年度から経済産業省で勤務されている伊藤袈斐さんにインタビューをさせていただきました!*以下の内容は伊藤さん個人の見解であり、所属する組織としての見解ではありません。
2-1.経歴について
関西私大→京都大学公共政策大学院→経済産業省(2021年度)
官庁訪問:経済産業省/金融庁/内閣府を訪問
2-2.院への進学について
ーー伊藤さん、本日はよろしくお願いいたします!
まず、様々な選択肢がある中で院進を決めた理由について教えてください。
A.実は、大学生時代は公務員になろうとは考えていなかったのですが、大学院に進学したいという気持ち自体は1、2年生の頃からずっと持っていました。院進したいと考えたのは、端的にそれまで自分がしていた勉強をより深めたかったからです。 大学生時代は政治の方面に関心があって、政策などの分野をより広く深く学ぶことができるということで公共政策大学院を選びました。大学2年生の時に、京大の公共政策大学院が主催している学生イベントに参加して興味をひかれたのも公共政策大学院に進もうと思ったきっかけになります。
ーーなるほど、自身の学びをさらに深めていきたいという想いから、かなり早い時期から大学院進学という進路を視野に入れて大学生時代を送られたのですね。
続いて、伊藤さんが公務員になりたいと考えるようになった理由についてお伺いしたいと思います。
A.公務員という進路を考えるようになったのは、公共政策大学院での環境が大きかったのかなと思います。公共政策大学院に入ると公務員志望の同級生が割といて、そういう人たちと話をしていく中で徐々に公務員という職業に面白味を感じるようになりました。
また、具体的な理由としては➀実務家の教授の授業を受ける中で、もともと政治や政策には関心があったのでこういったことを仕事としてやってみたいと思うようになった。➁自分のバックボーン(中小企業への関心が高かった)を踏まえた時に、それらを解決できるのはやはり行政官なのではないかと考えるようになった。③将来、政治家の道も視野に入れていて、行政官の経験が生きるのではないかと考えるようになった。
これらの3つがあったと思います。
ーー春からは経済産業省へ入省されるとのことでしたが、伊藤さんが国家総合職の中でも経済産業省を志望した理由を教えてください。
A.経済産業省に興味を持ったのは霞が関インターンがきっかけでした。インターンでは職員の方と交流する機会があるのですが、職場の雰囲気や職員さんの考え方等のカルチャーが自分にぴったり合っているのではないかと感じて興味を持ち始めました。
また、自分自身の問題意識として、中小企業への関心も含めて日本の中間層をどうやって以前のように分厚くできるのかというのがありました。そしてインターン等を通じてそれらの問題解決について一番近くで行動できるのが経済産業省なのではないかと考えるようになり最終的に経済産業省を志望することにしました。
ーーありがとうございます。霞が関インターン等を通じて、カルチャーの面でも、自身の問題意識解決という点でも経済産業省が自身にフィットしているという考えを持つようになり志望が定まっていったということですね!
2-3.公務員就活について
ーーここからは、伊藤さんの院生時の就活についてお伺いしていこうと思います!伊藤さんは、院生時代にどのようなスケジュール感で就活を行われていましたか?
A.まず、自分が通った大学院では、修論は選択制でした。自分はインプットの量を増やしたいと考えていたので、修論は選択しておらず、そこでの負担(公務員就活との兼ね合い)は無かったです。
民間を含めた就活のスケジュール感で言うと、大学院進学してすぐに8月~9月の夏インターン、そこから民間の秋冬インターンを自分の興味のある分野に絞りつつやりました。10月以降は省庁の説明会なども始まり、年明け3、4月には少人数座談会、6月には事前面談会→公務員試験→官庁訪問→8月決定という流れでした。
僕自身の経験から言わせていただくと、基本的に民間就活との両立は可能だと思います。もちろん受ける数は自分の能力と相談する必要はあります。 僕は民間就活も並行して行っていたので、公務員試験の勉強は12月くらいから始めましたが、公務員試験をがっつり考えていた友人は7,8月から始めていたと思います。
ーー詳しくお話しいただきありがとうございます。民間就活をするにしてもそうでないにしても、大事になってくるのは自身の予定と力量の把握ということですね!
2-4.院でのキャンパスライフについて
ーーそれでは次に、院でのキャンパスライフについて伺いたいと思います。伊藤さんが2年間大学院に通われて感じたメリットやデメリットがあれば教えてください!
A.僕自身、大学院生として民間就活・公務員就活を経験しましたが、大学院に進むという点でのデメリットは特に感じませんでした。ただ、日本の文系大学院生はまだまだ少ない状況なので、企業からは大学院に進学していったい何をしてたのというところは必ず聞かれます。しかし、僕の通った公共政策大学院などでは特別な研究はしていないことが多いです。だからそこを説明するということが1つ苦労した点だといえるかもしれません。もちろん公共政策大学院でしかできないことは沢山あるので、研究ではない部分でどれだけアピールをできるかが重要になってくると思います。
メリットとしては、公共政策大学院には、幅広い分野かつ少人数での演習があるので自分の興味ある分野を深めるのもよし、幅広く学ぶのもよしという多様な学習ができることだと思います。様々な選択肢をとることができるため、自主自学の精神がとても重要になります。演習系の授業に加えて自分なりに物事を探求していくということを意識することで、人と議論をする力(物事をロジカルに説明する力)も身につくと思います。
また、大学院には経歴が多彩な人が集まるのことが多いので、否応でも視野が広がるというのも大学院に進むメリットだといえると思います。
2-5.伊藤袈斐さんからのメッセージ
ーーありがとうございます!最後に読者の方々にメッセージがあればお願いします!
A.当たり前のことですが、院に進学するということはそこで2年間をつかうということになります。その2年間をどう過ごしたいのか、その先に何をやっていきたいのかという目的意識を学部生以上に持つことが大事だと思います。就活時には、この目的意識が自分にとっての羅針盤になり、2年間で培ったものを発揮しやすくなると思います。
また、大学院に進まれる方には、その2年間を存分に有効活用してほしいと思います。自主自学という話をした通り、大学院では基本的に自分で物事を進めていくことになりますが、一方で無為に日々を過ごすこともできてしまう訳です。自分を律しながら、そして目的意識を持ちながら「常に自分に問いかける」日々を過ごすというのが大事なのではないかと思います。
「目的意識を持つこと」「常に自分に問いかけること」この2つが大学院進学、そしてその先に進んでいくうえで重要なことであると思います。
ーー伊藤さん、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!
3.最後に
最後までご覧いただきありがとうございました!伊藤さんには公共政策大学院の特徴を踏まえながら公務員就活や民間就活についてお話していただきました。かなり役に立つお話が多かったのではないかと思います!
大学院生からの就活という点に関しては、Vol.1の官僚になれなかった夏さんのインタビューと同様に、大学院では自分なりの目的意識を持ち続けることがその先の道を歩む上で重要になってくるということが伺えました! これから院卒での公務員就活や、院進をお考えの方は是非参考にしてみてください!