【教養1次】内定者に聞く!1次突破のストラテジー・後編【基礎能力試験②】
1.はじめに
前編では、試験全体を概観しながら確実に突破するための「戦略」の重要性についてお伝えしました。
後編では、Twitterでのアンケートに基づき、読者の方が一番気になっている 「数的処理」について戦略の立て方をお伝えしたいと思います。
目次
1.はじめに
2.数的処理の概要
3a.判断推理
3b.図形(パズル)
3c.数的推理
3d.資料解釈
4.おわりに
2.数的処理の概要
教養区分の数的処理は、基礎能力試験の1部(知能)で16問出題されます。文章理解8問とあわせて、24問を120分で解答する形式です。
さて、教養区分の数的処理は2つの特徴が挙げられます。
1つ目は時間制約の厳しさ。 どの問題を正解させるべきか、取捨選択や戦略の立て方が重要になります(この「戦略」については前編もご覧ください!)。
2つ目は問題の難度がそもそも高いこと。 また、春試験や都庁などであれば古い過去問の数値替えや類題も出題されますが、秋試験(教養区分)は出題されにくい印象です。
そのような中で、単元別に気をつけていきたいポイントやおすすめの対策法についてお伝えしていこうと思います。
3a.判断推理
対応関係や位置、順序、トーナメント戦など、ジャンルを問わず出題されます。
基本的には表を書いたり、与えられた図に位置を書き込んで解くことになります。
対策としては、予備校の教材や市販の参考書で一通り学習したあと、様々な切り口の問題(対応関係や順序など)を時間制限をかけて演習していくのがおすすめです。
一度解いたあと、時間を置いて再度解き直すことも大切です。
同じ問題は出ませんが、同じ構造の問題は出題されるので、スラスラ手を動かせるようにしておきましょう。一般的に点の取りどころと言われる単元ですが、教養区分に1問5分で解き切れる問題は少なく取捨選択が大事になってきます。
数問を時間を測って解くトレーニングも積んでおきたいです。
3b.図形(パズル)
例年1~2問出題されます。「紙テープを折って正五角形を作るとき、三重に重なっている部分はどこか?」、「方眼紙に異なる形の紙片を敷き詰めたとき、当てはまるものはどれか?」など、パズルのように考えていく問題も出題されます。
この分野の対策ですが、なかなか難しいというのが現実です。折り紙や一筆書き等、頻出とされる単元は過去問や参考書で触れておくことが望ましいですが、当日の試験は何が出てくるか読めないこと、やや運も必要なこと、何より出題数が少ないことを考えると優先度は高くありません。
当日問題を見て解けそうだったら挑み、厳しそうだったら後回しにする、ぐらいでも十分でしょう。
3c.数的推理
文章題や整数、場合の数と確率、図形の計量など様々なジャンルから出題されます。典型的な出題も多く、確実に正解したいところです。
対策としては、こちらも予備校の教材や市販の参考書で一通り学習するのが良いでしょう。合格者の中には、SPIの対策本や中受用の算数の問題集などを解いていた人もいましたが、中学受験経験者や理系の受験者は案外スラスラ解けてしまう分野でもあります。過去問に目を通した上で、対策の量を決めていくのもいいですね。
また、ここ数年の傾向として、長文を読んで手順にしたがって操作していく問題が出題されます(資料解釈の直前が多いです)。問題のルールを把握して解いていくだけではあるのですが、ルールの把握だけでも時間を要する場合があるので、後回しにするのも手です。
3d.資料解釈
例年数的処理の最後に2題出題されます。是非得点したい単元です。
消去法で解きつつ、選択肢を1つ1つ検討すれば必然的に答えが定まります。 桁数の多い計算は概数計算が必要なので、過去問演習などを通じ慣れておくようにしましょう。
対策としては市販の参考書を購入して勉強するのもありですし、実際の過去問の他、春試験の過去問や東京都庁が公式に発表している都庁の教養試験の問題などでトレーニングするのもありです。コスパもいい科目ですので、対策が遅れている人はここからはじめましょう!
4.おわりに
いかがでしたか?教養1次の数的処理は「地頭勝負」と言われることもありますが、前述のように戦略を立て、どの問題で勝負をかけるかで得点は大きく変わるのも事実です。
数的処理も大事ですが、文章理解・知識、さらに二次に向けては総合論文も大事です。教養区分に挑む受験生がベストを尽くせることを祈っています!目指せ、1次突破!
(編集注)
①市販の参考書は「スー過去」や「畑中敦子の数的推理ザ・ベストプラス」あたりは使っている人も多い印象でした。書店で眺めつつ、自分が使いやすいものを選んでみてください。
②教養区分の過去問は人事院に請求すれば手に入れることができます。解答はネットにも転がっている…かも?春試験の過去問も人事院に請求すれば手に入りますが、市販もされています!