【法律区分】専門試験の直前期はどう過ごす?
はじめに
国家公務員の春の専門試験まで、あと1か月!
これまでの「政治・国際区分、経済区分」と同様に、現在専門区分の試験に向けて直前期の勉強をしてる方や、受験するかどうか悩んでいる方の参考になるよう、実際に専門区分の試験に合格した方へのインタビュー記事を執筆しました!
今回は、法律区分で合格した田中さん(仮名)にインタビューを行いました!
目次
はじめに
田中さんの基本情報
スケジュール
一次試験勉強法
二次試験勉強法
インタビューを通して
最後に
田中さんの基本情報
大学:国立大学法学部
選択科目(択一):刑法、労働法、商法
選択科目(記述):憲法、民法、行政法
受験勉強開始時期:3年生の夏ごろから
予備校の利用:有(司法試験対策のため)
教養区分の受験:有
——本日はよろしくお願いします。はじめに、田中さんの簡単なプロフィールと内定までのスケジュールについて伺ってもよろしいでしょうか?
田中さん…関西の大学の法学部4年生です。
法律区分で合格して、官庁訪問で内定を頂き、来年度から国家公務員として働く予定です。大学では、法学部で法律を勉強していました。
大学3年生の夏に、省庁のインターンに行って、国家公務員を目指そうと思い、その時期から国家総合職の勉強を始めました。法律自体は、2年生の春から勉強をしていました。
教養区分の対策は出来てなかったので、それまで勉強をしていた法律で受けようと考え、法律区分を受験しました。
スケジュール
——ありがとうございます。受験勉強のスケジュールや選択科目についてもう少し詳しく教えてください。
田中さん…
3年夏~秋
司法試験を目指していたためその勉強として法律の勉強をしつつ、教養区分の対策をしていました。教養区分対策としては数的処理を中心に行い、余った時間で知識分野を進めるという感じでした。
3年秋(10月ごろ)~
教養区分終了後から法律区分の対策を始め、年明けまでには択一の対策はだいたい完成させていました。
3年冬(1月)~
年明けから論文対策を始める一方で、択一であまりできていなかったところや忘れてそうなところを復習していました。
4年春~
3月までに択一は仕上がっていたと感じていたので、一次試験までの期間は適宜最終調整(問題を解いて抜けがあるところを補充)をしていました。二次試験対策としては過去問10年分を2周(実際に答案を書くところまで)しました。また面接対策もこのころからしていました。
一次試験勉強法
——次に具体的な勉強法や、予備校の有無などについてお伺いします。
田中さん…司法試験対策で予備校(伊藤塾)には通っていました。また、そのテキストを公務員試験対策としても使用していました。それに加えて過去問も一部活用していました。
具体的には高校の教科書で教養科目のインプットを行い、どこが公務員試験で出るか確認するために、先ほどのテキストを活用するという形です。
司法試験と国家総合職試験の両立についてですが、基本的には司法試験対策は国家総合職の法律区分の対策と変わらないため、大きな負担であるとは感じていませんでした。
1つ注意点としては、「司法試験の対策をしているから法律区分の択一は余裕だろう」と考えてしまうことがあるのですが、細かい条文や行政法の細かい知識は、司法試験ではあまり使わない一方で、国家総合職ではよく聞かれます。 このように、国家総合職試験で聞かれるところと司法試験で聞かれるところは少し違うところもあるので、併願するのであれば、出題範囲や頻出問題などをしっかり確認して勉強に挑むのが良いと思います。
二次試験勉強法
——具体的なアドバイスを頂きありがとうございます。二次試験の対策についてもお伺いします。
田中さん…専門区分の記述は、憲法、民法、行政法で受験しました。基本的に過去問を解くようにしていて、10年分を目安に各教科2周づつ過去問をやっていました。
また、本番は時間がタイトなので、時間を測って、その中で満点に近いような答案を書けるように練習をしていました。
政策論文も7〜8年分を解きました。政策論文は、問題の傾向を掴むことをメインに考えていました。政策論文に必要な知識は、教養区分の知識を流用しました。具体的には、骨太の方針をみて、各テーマごとにどの問題が注目されているか確認した上で、各省庁の白書を軽く見て、問題意識の理解や、自分でそれぞれのテーマについて考えて書いてみるといったことをしていました。
4年生の春ごろから人物試験対策も開始しました。具体的には予備校や、インカレの国家総合職試験の対策をしている団体、同じ省庁を受ける人で作った自主ゼミ、教養区分に合格した知り合いと、模擬面接をたくさん行いました。ここでの繋がりは、説明会等で出会った人に片っ端から声をかけて連絡先を交換する形でつくっていきました。
また、人物試験対策では、とにかくミスをしない・質問に対して過不足なく的確に答える・言葉遣いに気を付ける等を意識して行っていました。
——並行して行っていた、官庁訪問への対策などありましたらお聞きしたいです。
田中さん…3年の夏に国家総合職への志望を決めた後、第1志望の省庁は、月に平均3〜4回程度イベントや説明会、個人面接に行っていました。直前期でも、なるべく参加できるものは参加するようにしていました。
他の省庁は、1月くらいから見始めて、その中で良いと思った省庁には、第1志望の省庁と同じくらいの頻度でイベントに参加していました。
地方に住んでいるのですが、月1回程度、新幹線でイベントに参加していました。
試験対策よりも官庁訪問への対策の方に力を入れていたので、まずイベントで予定を埋めた後に、空いた時間で勉強をするという計画を立てて勉強を進めていました。
また、説明会やイベントの前に、登壇者の経歴やテーマについてあらかじめ勉強してから望んでいました。 とはいえ、月数回なので、そこまでこういった対策が負担になるとは思いませんでした。
——かなり官庁訪問対策に力を入れてらっしゃったんですね。他にも何か対策なさいましたか。
田中さん…説明会に行った際に知り合った人たちや元々の知り合いなどといくつか自主ゼミを作っていました。
2月くらいから始めて、最初は2週間に1回くらい、直前期にはほぼ毎日模擬面接やディスカッションなどをしていました。 官庁訪問には、こういった対策も有効だと私は思いました。特に地方の人には、説明会などで知り合った人と自主ゼミを組むのがおすすめです。
インタビューを通して
——ありがとうございます。今回は直前期の受験生に向けた記事なので、最後にこれからの勉強のアドバイスなどあればお聞きしたいです。
田中さん…この時期の勉強を振り返ると、基礎能力試験の文章理解をもっとやっておけばよかったかなと思っています。行けるかなと思い直前に軽く確認するくらいで本番に挑みましたが、あまりいい点数ではなく、もっと対策すれば取れたのかなと思います。ではいつやればいいのかと考えた時、直前になると、専門区分や教養の知識問題で抜けているところのインプットにかなり時間を割くことになります。そう考えると、2〜3月の時期に文章理解をやっておくのが良かったのではないかと思います。 そこまで時間を取る科目ではないので、少しずつ対策すれば良いと思います。
——本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!
最後に
今回は法律区分で合格した田中さんにインタビューして、実際の勉強法やスケジュール管理などについてお聞きすることができました。
専門区分の試験まであと少しですが、この記事を読んでくださった皆様のお役に立てれば幸いです。