【教養1次】内定者に聞く!1次突破のストラテジー【基礎能力試験①】

1.はじめに

国家公務員総合職教養区分は春試験と異なり、秋に実施される試験です。
大学3年生でも受けられることが可能であり、浪人等をしていると大学2年生以下でも受けられることが特徴です。
また、この試験には専門試験がなく、教養科目の他に論文、面接・GD・プレゼンテーションが課されることも特徴です。
※試験の詳細については人事院のHPをご確認ください。

目次

1.はじめに
2.一次試験を突破せよ!
3.突破ライン
4.内定者の戦略

2.一次試験を突破せよ!

教養区分では一次試験で基礎能力試験と総合論文試験二次試験で人物試験・政策課題討議試験・企画提案試験が実施されます。

中でも難関の1つとなるのが「基礎能力試験」です。
二次試験への進出は、基礎能力試験の点数のみで判断されることとなります(いわゆる足切り)。
一方で、基礎能力試験は範囲が広く、非常に対策が難しい試験でもあります。
「ロト6」なんて言われることも…。

ただし、1次試験は突破さえ出来ればOKです。基礎能力試験が最終合格に占める割合は少なく、2次試験でいくらでも挽回が可能です。

3.突破ライン

さて、実際の突破ラインを覗いてみましょう。
基礎能力試験は知能分野(Ⅰ部)と知識分野(Ⅱ部)から構成されます。知能分野は24問(文章理解8問・数的処理16問)、知識分野は30問(自然科学10問、人文科学10問、社会科学10問、時事を含む)からの出題ですが、知能1問は知識約2問の重みがあります。

このことを踏まえ、近年の最低ラインを見てみましょう。

【2020年 第1次試験合格点(推定)】
| 知能分野 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 |
| 知識分野 | 12 | 14 | 15 | 17 | 19 |

【2019年 第1次試験合格点(推定)】
| 知能分野 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 |
| 知識分野 | 10 | 12 | 14 | 16 | 18 |

知能1問が知識2問に匹敵することがおわかりいただけたかと思います。
(得点については実際の受験者の得点開示から分析した結果なので、誤差がある可能性があります。その点はご了承ください。)

また知能は8問、知識は9問が基準点として定められており、この基準点を下回ると、他の試験種目の成績にかかわらず不合格となります。 気をつけましょう。

2020年試験を例にすると、知能を16問/24問、知識を15問/30問正解させれば突破できます。
突破ラインからは知能で正答数を増やすことが重要だとわかりますが、知能分野は時間が非常にタイトです。その上、数的処理に一筋縄でいかない問題が多く出題されることもあり、容易に高得点が狙えるわけではありません。

それなら知識か?というと、時事に加え数学・物理・化学・生物・地学・日本史・世界史・地理・思想・政治学・社会学・法律・経済…と学習内容が広範で、習熟に時間がかかります。

その中で、教養区分を突破した内定者は、如何に戦略を立てたのか?
この点を明らかにするため、とある内定者にインタビューをしてきました!

4.内定者の戦略〜Strategy〜

《たんたんめんさん(2020年合格、私立文系、予備校に通うがテキストだけ)》

Q,具体的にどういう戦略で一次突破を狙いましたか?

A,どうしても突破したかったので、知能・知識のバランスに気をつけました。

数的処理が大事な試験ではありますが、当日全く解けない可能性もあること、また知識で挽回することもできるので、知能の勉強と並行して時間が許す限り知識の得点Upを目指しました。 その上でコスパがいい科目・悪い科目をきちんと分けて学習するようにしました。

ちなみに本番は数的処理で普段の実力が出せませんでしたが、知識でカバーして一次試験を突破することができました。

Q,知能の勉強で気をつけたことはありますか?

A,数的処理は得意でしたが、教養区分の数的処理は春試験と比べても難度が高いのである程度見切りをつけていました。

また、知能では120分で24問を捌く=5分で1問を捌くことが期待されますが、あまり時間にはこだわらず、確実に正解できる文章理解・資料解釈を丁寧に解いた上で、残り時間で解ける問題を見極めて得点を最大化するよう心がけました。 図形などはオーソドックスな問題も多く、得点すべき問題の見極めが大事であるように思います。

Q,知識はメリハリをつけて学習をされたとのことですが、具体的に教えて下さい。

A,はい。まず、私のスタイルは人文科学・社会科学を固め、自然科学の中でも暗記で対応できる部分は覚えきり、あと気合で乗り越えようとするものでした。

大学受験で日本史・世界史選択、理科基礎は物理基礎・地学基礎を選択したこともあり、それらの科目は予備校の問題集を解き続ける形で進めていました。

次に、地理・思想・法律(憲法)は出題範囲が狭く、覚える量も少ないので優先的に対策を進めました。 政治学や社会学、経済は予備校の「社会科学」のテキストを読み進め、重要な部分は確実にインプットしておくようにしました。

最後に自然科学ですが、化学・生物は正直範囲が広く、対策が難しかったように思います。とはいえこういう試験で繰り返し出ている単元はあるので、暗記で対応できる部分は暗記を徹底した上で本試験に臨むようにしました。

Q,振り返ってみて、特にこの対策がよかった!と思うことはありますか?

A,やはり、地理・思想・法律はコスパがいい科目だと思います。人文科学+時事+法律で半分近く確保し、残りもポツポツ正解できるとある程度の正答数を確保できると思います。

また、直前期は文章理解にも手を抜かず取り組みました。 やはり感覚を掴んでおくことは大事だと思います。判断推理は1日5問30分程で回し、解ける問題を確実に正解させるトレーニングは積んでいました。これも本番では活きました。

Q,最後に受験生にメッセージをお願いします。

A,運による裁量が大きいと言われる試験ですが、一次試験に関しては努力あるのみだと思います。

春試験の受験者数は減少していますが、秋試験は顕著に増加が見られる試験です。「教養科目と論文・面接・プレゼン・GDしかない試験」「誰もが受かる可能性がある」 試験だからこそ、報われるまで努力することが大事だと思っています。頑張ってください!

この記事を書いた人

しろたん
しろたん
都内大学法学部。早起きできるようになりたい。得意技は「おおごえでさけぶ」。

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